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2010年2月24日 (水)

獣医さんに求められる体験と動機

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↑ ワタシの先生はみんな親切丁寧です
  

ある外国人の犬の飼い主さんが、動物病院の対応に大憤慨していろワケ。
獣医師を訴訟するとまで息巻いているそうだ。

理由は、飼い犬であるラブを高い診察台に持ち上げて診察しようとしたからだそうだ。

「愛犬が恐怖を感じた!」「落ちてけがをしたらどうするのか!」というのが理由らしい
出身地である英国では考えられないことなワケ

日本では、大抵、大型犬でも高い診察台に乗せて診察する。

台に乗せることは、狭い場所の中で効率よく体重を量る為や、体を見易く診察する
という利点があると思うが、外国の獣医師は、大きな犬は自らがしゃがんで診察をし、
体重計は床置きのものがあるそうだ。

お世話になっていながらいうのも何だけど、最近、都会の獣医さんに関する不満をよく聞く。

治療費が高いという問題だけでなく、技術は良くても人間性が良くない、腑に落ちない
治療をされた、説明が不十分だった、若い新人が全く何もできなかった、

動物病院が不衛生だった、飼い主を待合室に戻し、見ていないところで治療をされた、
などなど。

今回のように、動物の恐怖を悟れない獣医師、診察することだけしかできないというのは、
今までに動物と深く接した経験があまりにも少なく、心底動物の気持ちを感じることが
できない人材が多いからかもしれないという人もいる。

イギリスの獣医師や看護師は、診察の際、白衣を着ていないことが多いらしい。
お洒落なシャツを着てネクタイを締めていたり、カラフルで可愛いスクラブスーツを着ている。

白衣は動物を怖がらせるからだそうだ。ここらあたりから考え方が違うカンジだ


イギリスで獣医師というのは日本より遙かにステイタスが高いらしい。


イギリスでは獣医さんのことを「Dr.(ドクター)」とは言わない。Dr.は人間の医師か、
博士号(Ph.D)を持つ人に限られる。

アメリカの vet school は、大学院レベルなので、アメリカの獣医師は DVM
(Dr.of veterinary medicine)となるらしい。

英国では獣医師や動物病院の日常を追うドキュメンタリー番組をしょっちゅう放映している。

日本でも一時期CS放送でBBCの『Vets in practice』というのを放映していた。

現在イギリスに、獣医学科のある大学は7校あるそうだ。全て王立もしくは国立で、
王立獣医大学、ケンブリッジ大学、ブリストル大学、リバプール大学、ノッティンガム大学、
エジンバラ大学、そしてグラスゴー大学である。

毎年900人(そのうち7-8割は女性)ほどの新入学生を迎え、実際にイギリスで獣医師として
働いている数は15,000人ほどである。

日本の獣医学科は、国公私立あわせて16校もあり、実はこれは相当多いらしい。

学校の数があまりに多いことで、良い指導者が分散するなど、学科の質の低迷につながると
言われているそうだ。

日本の獣医学科入学試験では、面接がないこともある。

また入学さえすれば、勉強は他に比べて大変でも、一つテストを落としただけで
ハイさようなら、ということもない。

それによく知られているように、たくさん動物を殺す。
動物を使って学ぶことに慣れて、動物への愛情や感謝の気持ちの一つもない人も出てくる。

イギリス獣医学科への入学は、並外れて難しいそうだ。

獣医師という職業は、人気があるということと同時に、世間的に、位置付けの高い職業と
なっている。よって、医学部や法学部より難しいと言われオックフォード、ケンブリッジ、
そして vet school(獣医学科)は超難関校と言われる。

獣医志望のほとんどの生徒が、幼少の頃にその進路を決め、平均して12歳くらいから
準備を始めるそうだ。

彼らは、全国統一試験で、相当良い成績を収める必要がある。

必要なのは成績だけではない。獣医学科受験において最も必要とされるのは、動物と
どれだけ接したかという経験だ。

動物病院、牧場、動物園、乗馬クラブ、ペットショップ、ブリーダー、トレーニングケネル、
レーシングケネル、競馬厩舎など、幼い頃から相当な数と種類の「研修」を受ける
必要がある。

もちろんそういうシステムがあるわけではないので小さな子供たちはこぞって、
動物が居る場所に手紙を書き、「夏休みにワークエクスペリエンスをさせてください」と
お願いする。

だからロンドンなどの都会に住んでいると不利なことも多く、送り迎えなどの両親の
手助けも相当必要である。

そして更に重要なのが、面接による試験だ。

面接では、「なぜ獣医になりたいのか?」というありきたりな質問から、ワーク
エクスペリエンスで学んだことについて、「今までどんな動物を飼ったことがあるか?」

そして「動物を怖いと思ったことはあるか?」や「肉になる動物についてどう思うか?」
「虐待されている動物についてどう思うか?」「動物実験は必要だと思うか?」という
倫理的な問題、フォックスハンティング、危険な犬に対する法律についての時事問題、
その時に流行している伝染病(例えば狂牛病や口蹄疫)についての質問など、
専門的な事柄にも及ぶ。

動物のことを深く知っていなければ、この関門は突破できない。

なぜ面接が大事なのか、それは生徒の動物に対する熱い思い、ポテンシャル、
モチベーションをチェックし、そして何より、人間の言葉を話すことができない動物を
扱う者としてふさわしいかどうか、その人格、人間性が最も重要視されるからである。

入学できたからといって安心は出来ない。卒業することが最も難しい。気を抜けば
すぐにドロップアウトする。

卒業すればすぐに一人前と見なされ、診療を行う。

大学で多くの実践を学び、卒業すればすぐに現場での即戦力として投入されるからだ。

技術も知識も自信も必要とされ、メンタル面でも強くなくてはいけない。

しかし、日本人は本来「命に感謝する」とか「自然への畏敬の念」とかを自然と身に
付けていた国民だと思うのに、受験勉強一本やりの弊害が色んなところに
出ているような気がするってカンジ。


  
■ となりの食卓
 ・ チキンの唐揚げ
 ・ トマトサラダ
 ・ 自家製白和え
 ・ 一口うどん
 ・ リンゴ   おこぼれあり

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コメント

>Kylano3ママありがと
場所柄(失礼!)家畜獣医さんの方が重宝されるかもしれませんね!
イザとなればフェリーに乗って大英帝国へ

>七栗堂mamaありがと
しつこいぐらいかまってくれる獣医さんなら安心かも~
ユウェルchan早く馴れようね

>コロmamaありがと
やはりいらっしゃるのですね~
たぶん赤髭先生には成れないのでしょう。
なんでも直ぐ手術という病院もありますが、これもちょっと・・・

投稿: マリア | 2010年2月25日 (木) 20:36

うちの近所に開業した獣医さんのこと。
バーニーズを飼っているお友達が行ってみたところ、先ず高い診察台に自分で犬を上げて下さいと言われビックリ。
「重いこの子を、私が持ち上げるの~?」

その後も、犬に触るのは必要最低限。
「ひょっとして怖い?」
って感じだったそうです。

もちろん、私はそんなところには行きません。

投稿: コロママ | 2010年2月25日 (木) 18:21

うちの先生はしっかり説明もしてくれるし
ユウェルが怖がりなので無理な検査もしないでくれるし
人柄も自分と合うのでとっても気に入ってるのですが
ユウェルは大っ嫌いのようです…crying

投稿: 七栗堂 | 2010年2月25日 (木) 16:58

イギリスの獣医さんは質が高いと思います。

こちらは。。。。。。。。。。馬、牛などの方が専門のようで。
ただ、いつも行っている獣医さんは、気に入っています。
「おじょーさん、今日はどうしたの?」とかってカイラに話し掛けてくれるのは、やっぱり安心しますね。

投稿: kylano3 | 2010年2月25日 (木) 16:08

>シゲpapaありがと
そういうことです!
飼い主としては一刻も早い原因究明と
治療を望むのですが、無機的な治療と
再三の検査は、ワンコにとってストレス以外の
何物ではありませんね。

投稿: マリア | 2010年2月25日 (木) 09:53

アフロが通っている主治医(獣医)さんは
とても若くて、とても親切、田舎の割には医療機器が充実していて安心だと思っていましたが・・・

最近思うのは若いだけに経験不足( - -)
検査!検査!検査!
細部にこだわるのはイイ事だけど。。
もっと臨機応変に
アフロのストレスと
こちらのお財布を考えて欲しいわ~(T∇T)

そういうことですよね~

投稿: シゲ | 2010年2月25日 (木) 09:39

>ミモザmamaありがと
動物と話が出来るかどうか?が、大事だといわれます。
黙々と診察している獣医さんより、いろいろと話しかけている
獣医さんの方が安心らしいです。

投稿: マリア | 2010年2月25日 (木) 08:21

命への感謝や自然への畏敬・・・希薄になってきていますよね。
八百万の神が生活の中に根付いていたのは、もう昔になってしまったのかしら?
残念なことです・・・
獣医師になるのに、まず動物達が好きか・・・というのは大切なことですよね。
ヒトを診ずに病気(検査の数値)だけ、診てもダメなように、動物達の場合、言葉を話さないのですから・・・

投稿: ミモザ | 2010年2月25日 (木) 07:28

>コニーmamaありがと
BBCの番組は若い男女の獣医師が虎からヘビまで
いろいろな手術に立ち会っていくという番組でした。
二人の考え方に対立もあり、興味深いモノでした。

>みっちゃんmamaありがと
医者のプライドが高すぎる事もあるし、
患者が言いなり過ぎることもあります。
「医療ミス」が表沙汰になるなんてつい数年前からですね

投稿: マリア | 2010年2月25日 (木) 06:51

まず、この仕事につく時点で生き物の命の重さをどれだけ認知してるかが問題ですよね。
治療台が高いのは患者の事より医者が治療し易い事を優先してる証拠。
私の人生、病院のお世話に事が多いのですが極端な表現になりますが、日本の医者は「しゃーない。診てやったろ!」って感じ、でもこっちの医者は「診させて〜 お願い〜」って感じ。医者としての在り方に大きな相違あるもんな。

投稿: みっちゃん | 2010年2月25日 (木) 00:54

国民性による動物に対する概念って異なるのでしょうね。

そうですね、日本の背景って、食事の時の‥いただきます。と
いうのは、命を頂きますと言う、感謝の気持からなる言葉だと
聞いた時にそう感じました。

イギリスの獣医師のレベルの高さって、興味深いです。
ドイツは、どうなんでしょう?家畜レベルな感じなのかしら。
私は、ドイツ人の動物の命の概念って異質すぎて、理解に苦しみます。

それがわかった時、なにか、変化があると言う事だけはわかるのですが。

投稿: コニー♪ | 2010年2月24日 (水) 22:26

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