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2010年5月 8日 (土)

国民意識の違い

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↑  ドイツは良いなぁ~
  

「傘より短い」ワタシ達の命だけど、ペット先進国ではどうなのだろう?

なんと、かのドイツでは保護犬の「殺処分」は昔から無いのだそうだ!

ドイツに最初の動物保護団体が創立されたのが1837年(天保8年)、1871年には200もの
動物保護団体があったそうだ。

日本ではこの年明治4年、廃藩置県で藩制度が無くなった年だ。

ドイツで「動物保護法」が制定されたのが1933年、ナチス時代のことだったらしい。

人々に捕獲された野良や持ち込まれた犬達は地域のティアハイム(保護動物収容施設)へと
収容され、そこで14日間の検疫として隔離・観察される。

狂犬病やジステンパーなどの伝染病の兆候あるいは発症を示した犬は個別で安楽死させられ、
疑いのかからなかった犬は里親募集に出された。

ドイツには過去にも現在にも日本のような複数頭を同時に殺す「殺処分場」は存在しない。

現在ではドイツ全国に700もの動物保護団体が存在し、団体同士相互協力のネットワークを
築いているそうだ。

傷付いた犬も、疾患を抱えた犬も、治療によって生活に大きな支障なく生きてゆけるのならば
治療続行を条件に里親が募集される。

現在ドイツの動物保護法では動物の殺行為について以下のように明確に定められている。

§4(1)Ein Wirbeltier darf nur unter Betäubung oder sonst, soweit nach den
gegebenen Umständen zumutbar, nur unter Vermeidung von Schmerzen getötet werden.
(脊椎動物は麻酔下においてのみあるいは状況により痛みを回避することでのみやむを
得ず殺されることとする)

ティアハイムに収容された犬や猫を一人の獣医師が不治の病と診断のうえ安楽死を
決定したとすると、その犬や猫の死体は大学の病理検査に送られる

そこで安楽死を決定した獣医師と同じ病理結果を得られなければ、正統な理由なく
動物を殺したということで起訴の対象となる。

また例え不治の病だとしても酷い痛みを伴わず投薬など治療を継続することで生活に
支障がないとされる動物は安楽死の対象にはならないため仲介に出される。

収容日数によって殺されることは決してない。

別の例では「人を噛む凶暴な犬」という理由で殺処分を要求された犬には、犬の行動療法の
専門家の見解をも要求され、その場ですぐに殺されるということがない。

噛み癖のある犬の背景を専門家が見て、それが軌道修正可能なものかどうかを判断し、
修正可能な犬の行動ならば殺さず時間をかけてでもリハビリしてその犬に普通の犬の
暮らしを与えることができるように試みる。

大型で扱いにくい犬種でもいつかはそれを愛しいと思う里親に出会える。

それまで生きるチャンスを与えてやることができれば、いつかはきっとやってくる。

それでも、やむを得ず動物を殺す際はかならず安楽死でなくてはならない。

現在ドイツの動物保護法安楽死とは「痛みと苦しみを伴わない死」のことであり、家畜の
堵殺だけでなく犬の場合も麻酔薬を用い痛みと苦しみを回避することでのみ殺すことが
許されるそうだ。


そしてドイツでは犬猫を安楽死させるには獣医学的所見を中心とした第三者に証明できる
正当な理由が必要であるということと同時に、安楽死を決定する獣医師には動物保護に
則ったそれなりの知識と経験が求められる。

ただ「頭数が多くて仲介が難しいから」というのは動物保護の視点では正当な理由にはならない。

もちろん、そのお陰でどこのティアハイムも多くの犬猫がいる状態を抱えている現状だ。

しかしどこのティアハイムも仲介率は90%以上を保っている。残りの10% は里親が見つからずに
ティアハイムに長居しているか病気や老衰で死んでゆく動物達だ

最初から「殺処分ありき」と考えるといかに効率よく処分を行うかばかりが検討され、
殺される命についての検討がなされにくくなる。

現在ドイツの殺処分ゼロは国民全体の意識が支えとなって存在しているのだそうだ。

■ となりの食卓
 ・ 鮭のソテー
 ・ 自家製肉団子
 ・ 春野菜のグリル
 

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コメント

>飛ばない豚papaありがと
当時のドイツ人の他民族に対する排他的感情は
理解しがたいのですが、狩猟民族として、動物への
親近感の方がそれを勝っていたのでしょう。

投稿: マリア | 2010年5月10日 (月) 06:39

あの素晴らしいティア・ハイムの国・ドイツで動物保護法が出来たのがナチス政権下だったなんて。。
日本では傘以下のわんこの命だけど、当時のドイツじゃユダヤ人はわんこ以下の存在だったのでしょうか。
ティア・ハイムと強制収容所が同時に存在してたなんて、歴史は皮肉ですね。

投稿: 飛ばない豚 | 2010年5月 9日 (日) 21:44

>コロmamaありがとう
さすが!鋭いご指摘です!
どうやら、党の人気取り政策の一つだったようです。
しかし、ナチス崩壊後も国民の強い支持を受けて存続した
法律らしいです。

>ホーリーmamaありがと
残念ながら急に現状を変えることは出来ません。
しかし、いつの日か日本もそれに近づけるように
人々の心の変化が芽生えることを願います。

投稿: マリア | 2010年5月 9日 (日) 21:29

ドイツでは犬猫の殺処分が究極の選択肢であり、
それには、二重三重のチェックがあるなんて・・・
でも、それが当然と私達は思うけれど、
日本の現実は、保健所持込は翌日処分。
成犬であれば処分。(県によって、基準が違う。)

明日、目覚めればドイツのようになっていて欲しい。

投稿: ホーリーママ | 2010年5月 9日 (日) 20:59

動物にとって素晴らしい国で、羨ましい!

ただ動物保護法ができたのがナチス時代というのが、なんとも複雑な思いです。

人間ってよくわからない生き物ですね。

でも、それは抜きにして、国民の意識が高いドイツはいいなぁ~。

投稿: コロママ | 2010年5月 9日 (日) 18:12

>Kylano3ママありがと
まったく違う調査ですが、「国際協力したいか?」という問いに
60%以上がNO!の返答。
利己的な民族なのです。

>ミモザmamaありがと
何事においても共存共栄という意識は薄いですね。
特に都市部に住んでいるほど自己中心主義になりがちです。
もっと博愛精神を持たなくては!

投稿: マリア | 2010年5月 9日 (日) 08:24

う~ん・・・日本とは違いが大きいですね~
日本に生まれるより、ドイツに生まれたかった・・・と思うワンも多いことでしょう。
日本では、すぐに改善されるのは無理でしょうが、少しずつでも変わっていくことを願っています。

投稿: ミモザ | 2010年5月 9日 (日) 07:55

>現在ドイツの殺処分ゼロは国民全体の意識が支えとなって存在しているのだそうだ。

日本も心して、見習ってほしいです!!

投稿: kylano3 | 2010年5月 9日 (日) 00:41

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